数字の4、7、9には、二つの読み方があります。「シ」と「よん」、「シチ」と「なな」、「ク」と「キュウ」です。
子どもに数の唱え方や数字の読み方を教えるとき、どちらで唱えさせるか、また読ませるか、迷う方も多いのではないでしょうか。
今回の記事は、これらの数の推奨される読み方と、実際にどのように読まれているかについて、まとめています。
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読み方➊ | イチ | ニ | サン | シ | ゴ | ロク | シチ | ハチ | ク | ジュウ |
読み方➋ | よん | なな | キュウ |
推奨される4、7、9の唱え方、読み方
結論から言うと、4、7,9は、➋の「よん」、「なな」、「キュウ」で読むことが推奨されます。
そのほうが、合理的で、子どもが混乱しないからです。
理由1 逆唱には、❷の読み方しかない
数を順に唱えるときは、➊でも➋でもよいのですが、数を逆に唱えるときは、もっぱら❷を使います。
順唱のときは、
「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウ」と唱えてもよいし、
「イチ、ニ、サン、よん、ゴ、ロク、なな、ハチ、キュウ、ジュウ」と唱えてもよいです。
逆唱のときは、
「ジュウ、ク、ハチ、シチ、ロク、ゴ、シ、サン、ニ、イチ」とは言いません。
「ジュウ、キュウ、ハチ、なな、ロク、ゴ、よん、サン、ニ、イチ」と唱えます。
理由2 数字に助数詞や単位がつくときは、➋の読み方をすることが多い
子どもは、数が唱えられるようになると、しだいに個数や枚数、順番などを数えるようになります。
これらの助数詞のついた数は、ほとんどが➋の読み方をします。
- 4個(よんコ)、7個(ななコ)、9個(キュウコ)
- 4枚(よんマイ)、7枚(ななマイ/シチマイ)、9枚(キュウマイ)
- 4番(よんバン)、7番(ななバン/シチバン)、9番(キュウバン/クバン)
子どもが使う「数詞+助数詞・単位」で、純粋に➊だけで読むのは、9時(クジ)、9時間(クジカン)、4月(シガツ)、9月(クガツ)ぐらいでしょうか。
7時、7時間、7月は、➊➋のどちらの読み方もしますが、➊の「シチ」と読むことが多いようです。
なお、4時(よジ)、4人(よニン)の「よ」は、「よん」のもともとの読み方です(音便なし)。
理由3 算数で、単位がついていない数は、➋の読み方をする
「49」は、「シジュウク」とも、「よんジュウク」とも読みますが、算数では「よんジュウキュウ」と読むのが一般的です。
- 4,799(よんセン・ななヒャク・キュウジュウ・キュウ)
- 4(よん)と7(なな)と9(キュウ)で20
- 9-4+7(キュウ・ひく・よん・たす・なな)
このように、算数での4、7、9の読み方は、「よん」、「なな」、「きゅう」です。
ただし、小学1年の算数の教科書で、最初に習う10までの読み方は、➊の「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウ」です。
また、九九では、もっぱら➊の読み方をします。
まとめ
幼児が数の概念を形成していく過程で、個数や順番を数えたり、数を逆に唱えたりすることを考慮すると、4、7、9は、「よん」、「なな」、「キュウ」と覚えるほうが、混乱が少ないと思います。
小学校の算数では、最初に「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウ」を習いますが、もう一方の読み方についても先生が説明してくれます。
したがって、幼児期は、「よん」、「なな」、「キュウ」だけを知っておけばよいです。
もし、7時(シチジ)、9時(クジ)などが出てきたときは、「シチジ の シチ は、なな のことだよ」などと言って、フォローしておけばよいでしょう。
子どもの学びに関する多くの学術的知見を持っています。
また、6歳児から中高校生まで勉強を教えた経験があり、学力に与える学習の効果は、年齢が低いほど大きいことを痛感しています。
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