子どもの認知発達に有効とされるブロック遊びですが、遊び方によって知育効果が異なることは、あまり知られていません。
今回の記事では、空間認識や算数の能力への効果を最大限に高めるブロックの遊び方について解説します。
ブロック遊びの知育効果
知育ブロックで育むことのできる能力
ブロック遊びは、数学の能力の発達の基盤となる「空間認識能力」の発達を促すのに最も効果的な遊びの一つです。(たとえば、01, 02, 03, 04)
幼児期のブロック遊びの経験が、のちの算数の成績を予測することが、多くの研究によって明らかになっています。(たとえば、 04, 05, 06, 07, 08)
ブロック構築では、目的の作品を組み立てるために、さまざまな空間スキルが動員されます。たとえば、
- メンタル・ローテーション:オブジェクトを回転させたときの像をイメージする
- メンタル・シェイプ・コンポジション:二つ以上のパーツを合わせたときの像をイメージする(心的形状合成)
- パースペクティブ・テイキング:オブジェクトを異なる角度や方向から見たときの像をイメージする
- 空間スケーリング:ブロックの大きさを相対的に把握する
- ディスエンベディング:複雑に組み合わさったブロック(全体)の中から、個々のパーツや部分的なまとまりを認識する
などです。こういったさまざまなスキルを駆使することで、スキルそのもの(空間認識能力)と、その認識に基づいて目的の空間をかたち作る空間構成能力が鍛えられていくと考えられています。
「空間認識能力」の種類については、こちらの記事をご覧ください。 ↓↓↓
これだけでも十分に優れた遊びなのですが、さらにブロック構築は、作業記憶や実行機能など数学にとって重要な他の領域の能力を向上させる効果が期待できます。(たとえば、 09,10 )
また一般論として、想像力や創造性、集中力などを養う効果があるといわれています。
このように、ブロック遊びからは、とても多くの利益が得られます。
知育活動の中でも優先度の高い遊びといっていいでしょう。
ブロック遊びは、遊び方によって知育効果が異なる
ブロック遊びは、大きく二つのタイプに分けられます。
一つは、自由に創作するフリー・ブロック・プレイです。
もう一つは、どのようなものを作るのかが決まっている(=モデルをコピーする)ストラクチャード・ブロック・プレイです。
両者は、関与する神経認知システムが異なります。(09)
このうち、空間認識や算数の能力の向上に高い効果が認められているのは、ストラクチャード・ブロック・プレイです。(たとえば、03, 04, 09)
もちろん、フリー・ブロック・プレイも有益な遊びですが、どちらかというと、想像力や創造性、抽象的な思考を伸ばすのに有効といわれています。
なぜストラクチャード・ブロック・プレイは空間や算数とリンクしているのか?
ストラクチャード・ブロック・プレイでは、空間の分析が求められます。
モデルを見て、全体と部分の関係、パーツとパーツの関係、対称性、構造的なパターンなどを理解しなければなりません。さらに、実際にパーツを組み合わせるとなると、ブロックの向きや寸法を正確に把握する必要が生じます。
このような特性によって、関係性の理解、パターン化、空間の視覚化、メンタル・ローテーション、測定・推定などの、空間認識や算数にかかわるスキルが鍛えられるのだと考えられています。
ストラクチャード・ブロック・プレイ VS フリー・ブロック・プレイ
まず、ストラクチャード・プレイとフリー・プレイのどちらが重要か、という議論はあまり意味がありません。
近年、従来のSTEMのScience(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)に、Arts(芸術)を加えたSTEAMという教育手法が注目されています。
このAには、「STEM教育による科学的な知識やスキルを、創造的な発想で社会に活かせる人材を育てる」という意味が込められています。
これをブロック遊びにあてはめると、ストラクチャード・プレイはSTEMの領域を、フリー・プレイはAの領域をカバーします。
二つが合わさって、STEAMになるのです。
この記事では、ストラクチャード・ブロック・プレイの重要性を説いていますが、その理由の一つは、ストラクチャード・プレイは、親の御膳立てがないと、なかなかその機会が得られないからです。
フリー・ブロック・プレイは、子どもにブロックを与えておけば、一人で勝手に遊んでくれるので、親はそれほど関与しなくてすみます。
もう一つの理由は、科学的に実証された、3Dのメンタル・ローテーション能力を鍛えられる遊びというのが、ストラクチャード・ブロック・プレイとビデオゲーム(一人称のシューティングゲーム、レーシングゲーム、マインクラフト)ぐらいしかないからです。
ビデオゲームも上手に取り入れていけばよいとは思うのですが、管理が難しいところもあるので、その点、ブロック遊びだと安心して遊ばせることができます。
またブロック遊びには、親子間で空間や数に関するやり取りが発生しやすいという強みもあります。
知育にストラクチャード・ブロック・プレイの導入を推奨しているのは、このような理由からです。
ブロック遊びは何歳から始めるのがよい?
ブロック遊び自体は、2歳ごろから始めることができます。
それぐらいから慣らしておいて、3歳ごろから少しずつストラクチャード・プレイを取り入れていくとよいでしょう。
この根拠としては、3歳でのレゴデュプロのストラクチャード・スキルが、のちの空間や算数のスキルと強く関連している、といった研究報告が複数あるからです。(たとえば、05, 07, 11)
もちろん、4,5歳から始めても間に合います。
むしろ、メンタル・ローテーション能力は、4~5歳で大きく向上します。(12)
さらに6~8歳でも、ブロック構築によって、空間認識能力が向上するというエビデンスがあります。(たとえば、03,13)
したがって、幼児後期から始めても遅きに失するということはありません。
ただ、4~5歳でのメンタル・ローテーション能力の大きな上昇を考えると、4歳ぐらいまでに始めると利益が大きい可能性はあります。
ストラクチャード・ブロック・プレイのやり方
ストラクチャード・ブロック・プレイのやり方には、専用の玩具を利用する方法とレゴやダイヤブロックを利用する方法の二つがあります。
その1 専用の玩具を利用する
ストラクチャード・ブロック・プレイの最も簡単な方法は、タスクカードやタスク用のアプリが用意された専用の玩具を利用することです。
この種の玩具では、「Blocks Rock!」という玩具が有名で(日本では入手困難)、メンタル・ローテーション能力などを高める効果が科学的に実証されています(03, 09)。
【専用の玩具の主なメリット】
- 認知負荷の純粋性が高く、目的の能力を効率よく鍛えられる
- 「1問の壁」が低く、階段を上るように進められる(通常、タスクカードは、少しずつ難易度が上がるように設計されている)。
- つくるものが用意されているので親の負担が少ない(親が作るモデルを用意しなくてよい)
【専用の玩具の主なデメリット】
- 拡張性とリプレイ性が低い(ひととおりやり終えたらもう一度やるという動機が起きにくい)
- 玩具によっては学習的要素が強く、純粋に楽しめないこともある(継続性に対する懸念)
- 挫折しそうなとき、引き返せる選択肢が少ない(作るものがタスクカードに決められているため)
ここでは、ストラクチャード・プレイ専用の玩具を使って、空間認識能力を効果的かつ網羅的に効率よく鍛えるための最小のラインナップを組んでみました。たくさんの候補の中から、AIと議論を何度も重ねて選びました。
なお、このラインナップは、学習的要素が強めです。
| 玩具名 (開始年齢の目安) | ⓐ操作/ⓑ主な対応能力/ⓒタスク/ⓓ備考 |
| ❶パターンブロック (3歳半ぐらい~) | ⓐ枠の中のしかるべき位置に、さまざまな幾何学形状の平面ピースを回転させて、しかるべき向きに埋め込んでいく。 ⓑメンタル・ローテーション(2D)、ディス・エンベディング、図形の合成・分解、計算能力 ⓒタスクカードは別売のものとセットのものがある(ごく簡単なものから超難問まで) ⓓ数学的要素が多く含まれており、髙い学習効果を示唆する研究も多い。アメリカなどでは教育現場に多く取り入れられている。 |
| ❷図形キューブつみき (3歳半ぐらい~) | ⓐ完成図を見ながら、立方体キューブを並べたり、積み上げたりていく。3D(立体構築)では、隠れたブロックの色と数を正確に推測する必要がある。 ⓑ空間の視覚化 ─ 見えない部分の推測・パースペクティブ・テイキング、空間の数値化 ⓒ2D‐18問(3Dへの準備)、3D‐18問(4歳ぐらい~) ⓓ難易度のステップがなだらかで、超難問はない 。立体問題がもう少し欲しいが、比較的短い期間でやり切ることができる、というメリットはある。立方体キューブを並べる・積み上げるだけなのでパズルとしての面白みには欠ける。なお、このキューブは、繰り返しパターン化トレーニングに使用できる。 |
| ❸立体たんぐらむ (5歳ぐらい~) | ⓐ「上から見たシルエット」と「前後左右から見た図」という3面図をヒントに、いろいろな形状の立体ピースを回転させて、組み合わせていく。 ⓑ空間の視覚化 ─ 三面図の統合・メンタル・ローテーション(3D) ⓒ58問 ⓓピースだけでなく、構造物全体にメンタル・ローテーションを用いる。→ メンタル・ローテーションのトレーニングが極めて効果的にできる(メンタル・ローテーション能力を鍛えるための玩具といってもよい)。 |
2つに絞るなら、➊と❸です。レゴブロックがある場合でも、「対応能力」があまり重複しない➊はぜひやっておきたいです。❸は汎用ブロックを重複するところがありますが、メンタル・ローテーションのトレーニングが極めて効果的にできるので、これもできればやっておきたいところです。
なお、➊のパターンブロックについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
その2 レゴブロックやダイヤブロックを利用する
ストラクチャード・ブロック・プレイのもう一つの方法は、レゴブロックやダイヤブロックを使う方法です。
この方法では、既存の作品をモデルとして利用します。作品の画像や図面を見て、それと同じものをつくります。
モデルとする作品は、次の3つから選ぶことができます。
① 購入したブロックの説明書の作品
② ブロックのレシピ本に掲載される作品
③ ウェブ上にアップされた作品
このうち、③については、ネットで「レゴクラシック レシピ」などと検索すれば、いろいろと出てきます。
「レゴクラシック」のところには、持っているブロックのセットの名前を入れればよいです。
テーマを絞るなら「レゴクラシック レシピ 生き物(/車/家/…)」などと検索します。
また、持っているセットのパーツだけで作れる作品を探すなら、「レゴクラシック 10698 レシピ」などと、持っているセットの製品番号を入れて検索します(レゴの場合)。
最初はパーツの少ない単純なデザインのものから始めて、だんだんと複雑な構造のものにチャレンジしていくようにします。
簡単なものばかりやっていても、空間認識能力はアップしません。
たいていの子どもは、スキルの向上にともない、自然とより難しいものを選んで作るようになります。
まずは子どもと一緒に作品のモデルを選び、「これ、作れるかな?」などと促すことから始めてみましょう。
組み立て説明書は見ても良いか?
基本は、「完成品(モデル)」を見ながら組み立てます。写真などから読み取れない場合は、説明書を見せたり、助言をしたりして、前に進めるようにしてあげましょう。
最初から説明書(動画を含む)を見ると、空間分析のプロセス(見えない部分をイメージするプロセスなど)が省略されてしまう場合があるからです。
ストラクチャード・ブロック・プレイには、その作品に使用するパーツ一式(難易度を上げる場合は、ダミー数個混ぜる)を、あらかじめ親がピックアップしておくという方法があります(推奨)。
この方法なら、知育効果をそのままに、プレイを容易にすることができます。
ウェブ上の画像を利用する際の留意点
パーツの数が増え、構造が複雑になると、1枚の画像からは使用するパーツが読み取れないケースが増えてきます。
そのためモデルとする作品には、作り方の説明や動画のあるもの、 画像が複数枚あるものを選ぶようにするとよいでしょう。
ブロック選びのポイント ~ ストラクチャード・ブロック・プレイ視点
女の子の場合は、こちらの記事を参考にしていただくとよいです(以下の記事と重複する部分があります)。↓↓↓
2歳ぐらいから
2歳ぐらいで購入するなら、レゴデュプロかダイヤブロックジュニアのどちらかになるでしょう。
最初のストラクチャード・プレイ(3歳ごろ)も、この二つなら対応しやすいです。
デュプロには、「コンテナ」という名のついたセットが3つあります。これらは、特定のキャラクター(たとえば、ディズニー)やテーマ(たとえば、動物園)に特化せず、自由な発想で組み立てられる「基本ブロック」を中心に構成されています。
いずれも、フリー・プレイが可能で、ストラクチャード・プレイに適したレシピがあります。
- デュプロのコンテナ スーパーデラックス
- デュプロのコンテナ デラックス
- デュプロのカラフルコンテナ
| セット名 (製品番号) | 主な特徴 |
| デュプロのコンテナ スーパーデラックス (10914) | ・85ピース(プラスチック製バケツ型ケース) ・つくれるもの:お家、車、お花など ・フィギュア:3つ(男の子、女の子、子犬) ・ごっこ遊びに適している ・(10913と比べて)レシピが多い ・10914 説明書のレシピをチェック |
| デュプロのコンテナ デラックス (10913) | ・60ピース(プラスチック製バケツ型ケース) ・つくれるもの:お家、車、お花など ・フィギュア:2つ(男の子、女の子) ・ごっこ遊びに適している ・10913 説明書のレシピをチェック |
| デュプロの カラフルコンテナ (10479) | ・80ピース(ペーパーボード製の箱) ・つくれるもの:生き物、お花、果物など ・ドアや窓のパーツがない。 ・目のパーツがあり、いろいろな生き物がつくれる ・フィギュア:なし ・幾何学的形状のパーツが多く、ストラクチャード・プレイに適している ・10479 説明書のレシピをチェック |
この中のどれを選ぶかについては、レゴへ移行するまでに十分な期間があり、一つのセットでごっこ遊びまで含めて長く遊ばせたいという方はコンテナ スーパーデラックス、「どの程度遊んでくれるかわからないけど、とりあえず試しにやらせてみたい」という方は、値段が手ごろでパーツバランスの良いコンテナ デラックス、「3歳からストラクチャード・プレイをしっかりやらせたい」、「まずはブロックでつくる楽しさを教えたい」などと組み立てをメインに考えている方は「カラフルコンテナ」、という感じでしょうか(あくまでも、一つの意見です)。
なお、導入期は「子どもをブロック好きにする」という大きな目的があり、ストラクチャード・プレイよりも優先されます。そのため、キャラクターものも含めて、子どもがやりたがるセットを買ってあげるのも一つの手です。
4歳ぐらいから
4歳ごろからは、レゴデュプロ、ダイヤブロックジュニアを卒業して、レゴクラシックかダイヤブロックベーシックのどちらかを選ぶことになると思います。
レゴ
レゴはパーツの種類が多く、いろいろなテーマのセットがあるので、ストラクチャード・プレイのモデルにこと欠くことはないでしょう。
レゴは、大きく二つのタイプに分けられます。
自由創作を基本とするレゴクラシックと、作るものが決まっているシリーズものです。
レゴクラシックには、基本的なパーツがまんべんなく入っているセットや、特定のパーツが多く入ったセットなど、いろいろなセットがあります。
シリーズものについては、街の建物や乗り物などをテーマにした「シティ」、友達やコミュニティをテーマにした「フレンズ」、ライセンステーマの「ディズニー」、「スーパーマリオ」、「どうぶつの森」等々、たくさんのシリーズがあります。
知育の観点からは、フリー・プレイに加えて、たくさんの作品モデルがあるレゴクラシックが推奨されます。
ただし、子どもをブロック遊びに惹きつけるために、テーマ別のセットから入ってもよいです。
レゴクラシック
レゴクラシックには、建物、乗り物、生き物をつくるための基本的なパーツ一式と、「ブロックはずし」」の入った、いわゆる基本のセットと呼ばれるものが2つあります。
一般には、最初にこのうちのどちらかを購入して、必要に応じて買い足していきます。ただし、このうちの一つがあれば、当面は買い足しなしで遊ぶことができます。
- 黄色のアイデアボックス <スペシャル>
- 黄色のアイデアボックス <プラス>
| セット名 (製品番号) | 主な特徴 |
| 黄色の アイデアボックス <スペシャル> (10698) | ・790ピース(プラスチック製バケツ型ケース、ブロックはずし付) ・建物が多くつくれる(主なパーツ:ドア2・窓17、タイヤ6、目7、約13cm×13cmのプレート1) ・定番の商品なのでレシピが多い(「レゴクラシック レシピ 10698」などと検索) ・10698 説明書のレシピをチェック |
| 黄色の アイデアボックス <プラス> (10696) | ・484ピース(プラスチック製バケツ型ケース、ブロックはずし付) ・乗り物が多くつくれる(主なパーツ:ドア0・窓12、タイヤ18、目6、約6.5cm×13cmのプレート1) ・パーツが少ないぶん、価格は手ごろ ・10696 説明書のレシピをチェック |
この中のどれを選ぶかについては、子どもが何を作りたいかによりますが、
黄色のアイデアボックス<スペシャル>は、ピースの数が多く、いろいろなパーツ(ドア、窓、タイヤ、目、花など)がバランスよく入っているセットです。お家や動物、乗り物などいろろなものがつくれます。
黄色のアイデアボックス<プラス>は、タイヤが多く入っているので、乗り物をたくさん作りたいお子さんに向いています。ドアが入っていないので、建物を作りたいお子さんには不向きです。
テーマに特化したセット
レゴクラシックには、乗り物、ペット、おうちなどのテーマに特化したセットもあります。
「もっとたくさんのものを作りたい」というお子さんのニーズや、「ストラクチャード・プレイの経験をたくさん積ませたい」という親のニーズに答えるセットです。
作品モデルは、「レゴクラシック ペット レシピ」などと検索すれば、たくさんでてくきます。
基礎板(ベースプレート)について
基礎板とは、作品を組み上げる土台です。
この上に作った建物や植物や動物などを配置して楽しむことができます。

基礎板について空間認識能力とのからみでお話しすると、基礎板にブロックや構造物を配置するとき、しばしばスケーリングや計測が必要になります。これは、空間スケーリング能力や数的能力を向上させる可能性があります。
さらに、基礎板に配置した作品は、基礎板を持ち上げたり、向きを変えたりすることで、さまざまな角度や方向から見ることができます。これは、別の視点から見た像をイメージするパースペクティブ・テイキングと呼ばれる空間スキルの向上につながる可能性があります。幼児の遊びで、直接的にものやものの配置を別の視点から見る機会というのはめったにないので、とても貴重な機会になるでしょう。
なお、基礎板はデュプロやダイヤブロックにもあります。
ダイヤブロック
一方、ラインナップの少ないダイヤブロックですが、初期のストラクチャード・プレイには十分に対応できます(作品例: https://www.kawada-toys.com/brand/diablock/dbmake/)。
パーツの種類が少ないゆえに、むしろ幼児のストラクチャード・プレイに向いている可能性もあります。
また、レゴは接合が固く、ブロック外しが必要になる場合も多々ありますが、ダイヤブロックは、取り外しが容易で、幼児には扱いやすいといいます。
「専用の玩具」と「汎用ブロック」、結局どっちがよい?
以上、ストラクチャード・ブロック・プレイの二つの方法を紹介しました。
「その1」の「専用の玩具(ストラクチャード・プレイ特化型の玩具)」を用いる方法は、比較的短い期間で、目に見える効果が得られるというメリットがあります。すなわち、目的に対して直線的です。もし、ブロック遊びを始めるのが遅れた子どもの場合は(たとえば、5歳、6歳までブロック遊びの経験がない)、こちらを優先してやることをおすすめします。
「その2」の「汎用ブロック(レゴやダイヤブロック)」を用いる方法は、ストラクチャード・プレイとフリー・プレイの両方で、数年に渡って遊べるというメリットがあります。その間にさまざまな学びや気づきがあるでしょう。
私が推奨しているのは、その2の「通常のブロック遊び」(数年間)に加えて、その1の「専用の玩具」を1つか2つ、余裕があれば3つやっておくというものです。
それによって、認知能力のより広い範囲をカバーすると同時に、ターゲットとなる空間スキルを確実に身につけることを目指します。
■ストラクチャード・プレイ 専用玩具と汎用ブロック比較
| 評価項目 | 専用の玩具 | 汎用ブロック |
|---|---|---|
| 主な効果 | 比較的短い期間で、目的の空間認識能力を効果的に向上 | より多様な空間認識力に加えて、 創造性・応用力・問題解決力などを育成 |
| 難易度設計 | ほとんど必要なし | 親の調整が必要 |
| 親の負担 | 低い(カードやアプリにお任せ) | 高い(しばしば見本の準備が必要) |
| 飽きにくさ | 難易度が変わるだけで同じことの繰り返し → ものによっては飽きやすい | 自由な組み替えで無限に遊べる |
| 挫折への対策 | 少ない(決められたものを作るため) | 多い(様々な難易度のモデル作品がある) |
ブロック遊びへの親の関わりかたについて
ブロック遊びに限ったことではないのですが、子どもの知育遊びは、親の関わりかたによって得られる効果に大きな差がでます。
まず、親子で一緒にブロック遊びを楽しむ、これが前提としてあります。
というのも、親から発せられる空間言葉の質と量が、初期の空間認識能力の発達に重要な役割を果たしていることがわかっているからです。(たとえば、14, 15)
親御さんは、子どものブロック遊びにできるだけ参加し、具体的な空間言葉を使って子どもをサポートしてあげてください。
特に4歳ぐらいまでは、これが非常に重要になります。
次に、子どもが行き詰ったときのサポートのあり方も重要です。
「適切なサポート」とは、すぐに答えを与えたり、子どもに代わって作業をしたりすることではありません。
プレイを持続させるために、ヒントや気づきを与えることです。
そうやって、試行錯誤させながら、完成まで導いていくと、子どもは達成感が得られます。
逆に、親のストレートな介入は、子どもの粘り強さの低下を招く恐れがあります。(16)
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6歳児から中高校生に勉強を教えた経験から、幼児期から小学校の低学年にかけての学びの重要性を痛感。多くの学術的知見をもとに、子どもの学びのあり方や方法を紹介、提案しています。特に、算数に関する学びと「増大理論」に関する知識が豊富です。
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