数の力を身につける18ステップ!
家庭でできるチェック&トレーニング【ステップ9】
習得目標年齢:4歳半~5歳半
▶ 前のステップへ:【ステップ8】 ○個ちょうだい(20までの数)
このステップでは、二つのものの集合を比べて、「どちらが何個多いか」を求められるようにします。
個数差は、ひき算によって求めることができますが、この段階ではまだひき算は使いません。
集合を対応させる方法で、個数差の概念の理解を促していきます。
ひき算に統合される重要な概念を理解するための第一歩です。
【課題】二つの集合を比べてどちらがいくつ多いかを求める
用意するもの:
おはじき(色違いのものを5個ずつ)
手続き
1.赤いおはじき4個を適当な間隔で一列に並べ、その下に青いおはじき3個を適当な間隔で並べる。
2.子どもに「どちらのおはじきがいくつ多い?」と尋ねる。
→ 子どもが個数差を把握できないときは、「赤と青のおはじきをそろえて並べると、わかりやすいよ」と言って、おはじきを並べ直すように促す。
このような手続きで、二つの集合の個数差を問います。
なお、比べる個数は5個以下とします。
チェックポイント
二つの集合の個数差は、算数では「ひき算」によって求めます。
しかし、個数の比較では、ものを取り去る行為が発生しないため、この段階の幼児には難易度が高いです。
そのため、この段階では一対一対応(「手続き」の❷の図)によって個数差が求められればよいです。
練習のポイント
個数差を求める練習は、課題の問題の手続きを通じて行います。
たとえば、このようなかたちにして、
「こうすると、赤が1個残るから赤が青より1個多いね」などと言って個数差の理解を促していきます。
「残る」という表現を使うことによって、「個数差 = 多いほうの個数から、少ないほうの個数を取り除いた残り」というひき算の概念理解に誘導します。
ただし、この段階ではまだ本格的に、この概念の理解を促す必要はありません。
▶ 次のステップへ:【ステップ10】いろいろな範囲の数を唱えよう! (近日公開予定)
子どもの学びに関する多くの学術的知見を持っています。
また、6歳児から中高校生まで勉強を教えた経験があり、学力に与える学習の効果は、年齢が低いほど大きいことを痛感しています。
これらを生かして、効果的で再現性の高い子どもの学びのあり方や方法を提案していきます。よろしくお願いします。